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根拠のない高いストレッチ目標対策

前回楠木先生の「絶対悲観主義」をご紹介しましたが、その対極をなす高い目標設定の効果についてのコラムがネットに掲載されていたので興味深く読みました。その記事によるとこんな具合でした。
「エベレストの登頂、月面着陸、想像を超えるAI頭脳の開発。これらの目標はすべて達成されている。このような高次元のストレッチ目標は個人と組織のモチベーションと成功を強力に促進することが広く認められている。しかしあまり知られていない欠点もありしばしば誤解され、誤用され意図しない結果を招く。極度に困難なものに変化するとモチベーションを低下させ過度なリスクテイクを促し、非倫理的な行動を悪化させるおそれがあるのだ」と。では上司からこのような目標を提示されたら最終的にどうすればよいのかというとその記事によると「目標の背景を広く理解し、課題を特定し記録し、上司と交渉する」どうしても上司が納得しない場合には、「私もあなたと同じようにこの目標を達成したいと思っていますが、自分の分析だと非現実的です。どのような経緯でその目標設定至ったのか教えてほしい」と聞くのだそうです。私も過去長年に渡って所謂サラリーマン時代を経験してきましたが、ワンマン上司に楯突いてこんな質問ができるドラマのワンシーンに出てくるような勇敢な社員がいる会社にはお目に掛かったことはことはなく、現実には我慢、辛坊、忍耐、言い訳、飲み会で仲間内で愚痴り合い、適当に今年は受け流すetc、で乗り切っているが実情だと思います。
そもそもエベレスト登頂や月面着陸、AI開発、次世代の半導体や量子コンピュータ開発等「前人未踏系の目標」を目指すのは、その使命感と選ばれた人々の意識が全く違うところから始まっており、家族や自分の人生を一部犠牲にしてでも達成するという覚悟の度合いが全く違うので、残業や休出などの概念も存在しないの世界かと。一般企業が単に真似してそのまま適応すること事態がミスリードなのだと思います。高いストレッチ目標は決して悪い事ではないと思いますが、そのストレッチ度を適切に分析して、業種業態の動向や自社の組織、社員の人物像に照らし合わせて適切に設定してこそ生きて来るのではないでしょうか。どこかの誰かが言ったのを真似してのストレッチ目標は最悪の結果を招くと思います。どちらにも良い悪い両面はあるのでストレッチ目標で行くか、絶対悲観主義の目標で行くか、リーダ、経営者にとってはいつも見極めが大事というのは変わりないと思います。

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