2年くらい前からよく映画を観に行くようになりました。シニア料金でもあるのと自宅からシアターまで自転車でサイクリング気分で行ける距離で、休日の半日を充実して過ごせるからです。今どきのデジタル映像よりも昔懐かしい映画ばかり観ていますが、丁度私らの世代が小学生だった時に日テレ系の人気ドラマで「俺たちの旅」が放映されていました。日曜日夜8時ゴールデンタイムで人気のドラマでした。主演の中村雅俊さん演じるカースケはじめ、彼の親友オメダ、ぐずロクこの3名の織り成す日々の若者の自由な都会生活の中で社会や集団、他人との関係に様々な葛藤を描いた青春ドラマでした。そういうと青春ってもう死語ですよね(笑)。そんな彼らの50年後、それぞれの人生を描いた作品です。シニア世代の我々にとっては自分の半生を重ねて感慨深くなる作品で、鑑賞に来ている皆さんも同世代ばかりでした。
人生というのは全く分からないもので、50年も経過すると子供のころ想像していた将来像というのも周りの環境や世の中の流れに流されて全く変わってしまうものです。数年ぶりの同窓会で当時記憶していた友人の姿が激変していたりするのもよくある話で、この作品にもそんなことを懐かしがる光景が随所に出てきます。
私は3回泣いてしまいました(笑)。特に回想シーンでオメダこと田中健さんのお母さんを演じる八千草薫さんが不倫の夫と離婚した後に会いたくても会えず我慢していた辛かった心境を娘役の岡田奈々さんに問い詰められて、酔い崩れて涙ながらに告白するシーンは全員号泣でした。母親も女であり、しかし何より子供優先でそれを棚上げして育児に専念しなければならない人生を選択した辛い心境は、我々世代の心にも大きな共感を呼ぶシーンでした。
50年経っても当時の主人公達が集って作品を作れたのは素晴らしいと思います。日本人の平均寿命が82~85歳くらいとして50年という月日は相当重たい年月です。私は小学生当時四国の片田舎でこのドラマを観ていて、将来絶対一人暮らしをする!と決めました。自由とか友情とか生き方とか本当は何なのか分からないながら、それを何となく子供に意識させてくれた良い作品でした。ならば50年経ってシニアになった今その本質を自分が理解できているのか、それを実行できているのか、改めて問い直しがいるのも事実だと今感じている次第です。
ドラマのエンディング挿入歌、小椋佳さん作詞の「ただおまえがいい」の名文句、
-また会う約束もなどすることもなく、「それじゃまたな」と別れる時のお前がいい-
友達関係の本質を見事に表現した名句です。シニア世代には特に観てほしい作品でした。